【検証】大人の中耳炎は珍しいのか?統計データから分かったこと
2015/03/25
こんにちは、ヒゲもやしです。中耳炎シーズン到来です(※個人の見解です)。気を引き締めて、中耳炎対策に取り組む所存であります。
中耳炎といえば、乳幼児が頻繁に発症する病気であると思っている方、非常に多いのではないでしょうか。自分自身も中耳炎を発症するまでは、ガキんちょお子様の病気だと思い込んでおりました。しかし、いい歳こいた大人でも中耳炎になってしまうんですねぇ、これが。肉体的にも精神的にも苦痛を味わいながら、身をもって中耳炎の恐ろしさを体験しました。
大人の中耳炎は、子供とは違う悩みを抱えるケースが多いのですが、その内のひとつ、「大人でも中耳炎になるって、普通じゃない?」という不安があります。大人で中耳炎になったなんて話、聞いたことないぞ、俺の耳やばいのかな、と。「病は気から」という言葉もあるように、不安を抱えた状態というのは、治療においてマイナス材料となってしまいます。
また、大人が発症する事自体が認知されていないため、学校や職場、仕事上での理解が得られず、治療のために十分な休暇をとることもままならないケースがあります。以下のような思いをした経験はありませんか?
休みたい・・・!なのにクソ上司が冷たい目線を投げかけてくる・・・!中耳炎の辛さも知らずにっ・・・!ぐっ・・・!ぐぐ・・・!休ませてくれだなんて言えないっ・・・!圧倒的敗北・・・!!
そりゃ、カイジだろ!とツッコんでくださった方、ありがとうございます♪
さておき、大人の中耳炎はそんなに珍しいのか?大人の中耳炎患者は肩身のせまい思いをしなければならないのか!我々だって立派な病人なんだ!と疑問から怒りへとヒートアップしてます。そんなわけで今回は、本当に大人の中耳炎は珍しいのかを、データをもとに考察したいと思います。
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中耳炎と他の傷病の患者数を比較してみる
早速、大人の中耳炎の患者数と他の傷病の患者数を比較したいと思います。比較に使用するデータは厚生労働省が実施した平成23年患者調査です。この調査は3年置きに全国規模で実施されており、例年、10月に調査が行われます。このデータは都道府県別の中耳炎患者数を調査した記事で使ったことがありますね。平成26年の結果は本日時点では公表されていないため、今回は平成23年の調査結果を使用します。
患者調査のデータから、総患者数という項目を使用します。総患者数というのは、10月中旬のある1日において、継続的に医療を受けている患者数を表しています。調査日に通院していない人も含まれるため、まさにその日時点での患者数です。
中耳炎患者における大人の割合は?
まずは、10月のとある日時点での、全年齢における中耳炎の患者数です、ドーン!
うーん、23万7千人という数字が多いのか少ないのか、これだけじゃ判断つきませんね。当サイトは、中耳炎を患っている働き盛りの大人の地位向上を目的としているので(?)、大人の中耳炎患者に着目し、他の傷病と比較したいと思います。
ちなみに、患者調査における中耳炎とは、急性中耳炎、滲出性中耳炎等、中耳炎と名の付くものは全て含まれます。厳密には以下に分類される傷病が中耳炎とされるのですが、なんとまぁ、中耳炎にこんなに種類があるんですね。ちなみにヒゲもやしが経験した中耳炎は、急性中耳炎と滲出性中耳炎の2大中耳炎(?)でっす!
急性滲出性中耳炎
亜急性アレルギー性中耳炎
亜急性ムコイド中耳炎
亜急性血性中耳炎
亜急性漿液ムチン性中耳炎
急性アレルギー性中耳炎
急性ムコイド中耳炎
急性血性中耳炎
急性非化膿性中耳炎
急性漿液ムチン性中耳炎
慢性耳管鼓室カタル
慢性漿液性中耳炎
慢性滲出性中耳炎
グルーイヤー
慢性ムコイド中耳炎
好酸球性中耳炎
慢性アレルギー性中耳炎
慢性非化膿性中耳炎
慢性漿液ムチン性中耳炎
アレルギー性中耳炎
ムコイド中耳炎
ムコーズス中耳炎
耳管鼓室炎
中耳炎後遺症
非化膿性中耳炎
滲出性中耳炎 ←★ヒゲもやし経験済み
グラデニーゴ症候群
急性化膿性中耳炎
水疱性中耳炎
慢性耳管鼓室化膿性中耳炎
良性慢性化膿性中耳炎
上鼓室化膿症
慢性上鼓室乳突洞化膿性中耳炎
慢性化膿性穿孔性中耳炎
慢性化膿性中耳炎
化膿性中耳炎
外傷性穿孔性中耳炎
外傷性中耳炎
急性中耳炎 ←★ヒゲもやし経験済み
鼓室内水腫
再発性中耳炎
出血性中耳炎
術後性中耳炎
術後性慢性中耳炎
新生児中耳炎
穿孔性中耳炎
単純性中耳炎
中耳炎
中耳炎性顔面神経麻痺
陳旧性中耳炎
慢性穿孔性中耳炎
慢性中耳炎
慢性中耳炎急性増悪
慢性中耳炎後遺症
慢性中耳炎術後再燃
結核性中耳炎
猩紅熱性中耳炎
麻疹性中耳炎
インフルエンザ中耳炎
他に分類されるその他の疾患における中耳炎
中耳炎、多すぎ(笑)
今度は中耳炎患者の年齢分布をグラフにしてみました。これは以前に作成したものです。未成年と高齢者の患者が多いですね。

年齢階級別_中耳炎_患者数
続いて、上のグラフをもとに、中耳炎患者を未成年(0~19歳)、60歳未満の大人(20~59歳)、60歳以上の大人(60歳~)という3つのグループに分けると、60歳未満の大人の割合は以下のような割合になります。
未成年は42%、60歳未満の大人は13%、60歳以上の大人は45%です。
中耳炎患者の内、7人に1人が働き盛りの大人であることがわかります。意外と多いですね!数パーセントだったらどうしようと不安もあったのですが、7人に1人ならば、なんら恥じることはありません!大手を振って歩きましょう、耳鼻科の中でだけですけどね。。。
他の傷病と比較してみる
60歳未満の大人(20~59歳)の中耳炎患者数は、3.2万人です。これがベースです。
では、他の傷病を見てみましょう。まずは中耳炎の患者数に近い傷病を並べてみます。
こう見ると、深刻な傷病が見受けられるので、ちょっと不安になってしまいます。長期にわたるとはいえ、5回ほどの通院で完治した自分の中耳炎が、すごく軽い傷病に思えてしまいますね。
上記の中耳炎患者数に近い傷病群は、より長期にわたる治療が必要で、通院回数も1桁では済まないであろうと思われるので、中耳炎と比較するのはふさわしくないように思えます。
それでは、どういった傷病と比較すれば良いか?それは、中耳炎と同じように、通院回数が1桁で病状がある程度終息するような傷病が良いかと思います。個人的な見解で思いついた傷病をもとに、その患者数を調べてみましょう。
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中耳炎よりも患者数の多い傷病
まずは大人の中耳炎患者数(3.2万人)よりも多い傷病から行きます。
虫歯や歯周病の患者数は文字通り桁違いですが、痛風や胃潰瘍等のメジャーどころは、中耳炎患者よりも多いですね。とは言っても、数倍の差なので、完敗ではないと思います!(なんの勝負をしているんだ?)
中耳炎よりも患者数の少ない傷病
今度は、大人の中耳炎患者数(3.2万人)よりも少ない傷病です。
盲腸炎(現在では虫垂炎というらしい)の患者数は、意外と少ないですね。中耳炎患者の16分の1。圧勝です!!ヤタヨー!(だから何と闘っているんだ)
尿路結石症とはいい勝負なのですが、痛みの王様とも揶揄されるこの病は死ぬほどの痛みを味わうらしいので、ある意味負けてます。中耳炎の痛みもハードでしたが、勝負の土俵にも乗らないでしょう。
しかし、風邪の患者数が少ないのは予想外です。10月という調査月が関係しているのかもしれません。
考察
大人の中耳炎は、20~59歳の大人が発症する他の傷病と比較しても、珍しくはないのです。大人が発症する有名な傷病郡の痛風、胃潰瘍、尿路結石症、肺炎等と比較しても大差はありません。また盲腸炎と比べると、16倍の患者数であることから、メジャーな傷病と遜色ない発症傾向があると言えます。
ではなぜ、大人の中耳炎はマイナーな病と思われてるのか?
やはり、中耳炎患者において、乳幼児と高齢者の割合が圧倒的に多いため、20~59歳の働き盛りの大人の割合が7%と低くなり、珍しいと思われてしまうのでしょう。また、幼い子を持つ両親ならば、繰り返し発症する中耳炎治療のために何度も耳鼻科に通った経験が色濃く残り、中耳炎を子供の病気と考えてしまうのは、仕方が無いのでしょうか。
「大人の中耳炎は稀である」という先入観を持った人が多いのは事実ですが、他の傷病の患者数と比較すると、その考えは正しくないことが分かりました。
中耳炎を発症してる大人のあなた、不安になることはありません。珍しい、レア、マイナーな病ではないことは、このページで証明されました。周囲の協力を得る際に恥ずかしがることなく、そして臆することなく病と向き合い、治療に専念しましょう!不安な時は、このページにいらして下さい。何時でもお待ちしております♪
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